旅慣れしすぎ、か?

泊まってもいないホテルで優雅さを演出

一昨日旅行から帰ってきたと言うにも関わらず、もう今日は年末から予定している旅行の航空券の手配をしており、私が主に積極的に行きたいと思う地域は欧州に限られているので、通常だったら問答無用でアエロフロート貧乏旅行になるのであるけれど、今回は若干期間が長いこともあり荷物が重くなることが予想されるので、そんな時にアエロフロートに乗るのは全然賢明ではない。*1じゃ何に乗るかという話だが、目的地は直行便のない国なので、というか直行便がある国だとしても貧乏だからそんな贅沢をするつもりなど毛頭ないのだけれど、ここで問題となるのはどこを経由地とするか、ということだ。3ヶ月以上OPENで安いのというとマレーシア航空だが、3ヶ月以内となると欧州系航空会社の方がやすくなったりもする。
最終的に候補に残ったのはヴァージン・アトランティックとアリタリアアリタリアはちょっとやだなぁ。しかし航空会社の好みなどではなく旅の帰りにロンドンとローマ(あるいはミラノ)のどちらに寄りたいと思うか、ということで決めるべきであろう、といっても実際問題もうどっちでもいいね。面倒くさい。どっちでもいいから誰か決めてください。わたしゃそんな都会よりも田舎に行きたいのだよ。都会なんか行っても面白くないもんね。しかしどうだろう、割と長く旅に出るという局面であるにもかかわらず、かくも高揚感期待感がないのは。昔は欧州に行くとなったらそれなりにわくわくしていた筈なのだが。いい加減、慣れすぎか。
慣れすぎと言えばサイパン。午前中は主に宿で寝てすごしたと言うことは昨日の日記にも書いたことだが、やおら起きだしてしたことといったらホテルのラウンジで昼間から酒を飲みつつ読書。しかもこんな本。

ある首斬り役人の日記 (白水Uブックス)

ある首斬り役人の日記 (白水Uブックス)

16世紀ドイツの首斬り役人であったフランツ・シュミット親方の手記。何という名前の者がどのような罪状でどんな刑に処せられたかが延々と綴られているのだが、女の嬰児殺し頻発やら追いはぎやら嘘つきやら犯罪の内容が大分興味深く、かつ、その程度の罪で死刑なわけ!?と驚くものも多いのだがそんな事よりも彼ら犯罪者につけられた別名の幅広さに目を剥いた。ハンスやら何やらと名前があるにも関わらず訳の分からん別名がつけられており、例えば「別名木槌」などというのはまだ凶器ともなりうる器具だから、人を「ジャックナイフのような」などと表現するのと同じ思想の元につけられた別名なのかなと慮ることも可能だが、「別名玉砂利」などに至っては最早何がしたいのか全然分からない。他には「別名歯ぎしり」「別名阿呆の耳」「別名卑劣漢」「別名糞ったれ」「別名のどちんこ」など。罪状で印象深かったのはこれ。

三月二十二日、絶交すると相手を嚇したために、一百姓を打ち首の刑に処した。

やたらめったら死刑にされている印象があったのだけれど、この時代が仮に豊かさの平均値が非常に低かったとしたら罪人を何年間にもわたって牢獄につなぎとめて食事を与える余裕などないだろうから、処罰が1日で終わってしまうような体罰かあるいは死刑に処したりしたのだろうか、などと思ったけど、実際のところはどうなんだか分かりません。ただ今の物事の尺度で測っても意味がないだろうという事は言えるでしょう。
ちなみに写真に写っているホテルはハイアットで、私が泊まったのは無論もっと安宿です。そんでもって本当ならビール片手でも構わなかったのだけれど南国イメージのキレイな色した酒を飲んでみました。こんな甘い酒じゃ酔えないよ。

*1:荷物がちょっとでも規定より重量オーバーするとすかさず超過料金を徴収してくる。