面白い部分だけ朗読します

Thornさんから頂いた本を読み始める。本を開いたら妙にいい気分になってしまった。昨日頂いたときは、かねてから読んでみたい作家の本であったということと、本をいただいたという事実が単純に嬉しかったのだけれど、ページを捲ってみると唐突に、人に自分の所有していた本をあげるという行為の素晴らしさに覚醒してしまったのだ。私もやってみたいなぁ。自分の持っていた本というのは、読んでいる最中に感じた面白さとか感動とかさまざまな感情をまさにその本から得たわけで、同じ本を買って人にあげるのではなく自分が感動を得たそのものを人にあげるということは、感覚的には同じ感動を共有するというか、自分が感じたものをそのまま相手にも分ける行為と言えるわけで、それが私が「素晴らしい」と感じた所以だ。
私も誰かに何気なく自分の持っている本をあげてみたいなぁ、そう思ったのだけど絶対無理。私の本に対する所有欲は凄まじいのだ。上記の意味合いでの本のプレゼントならば確実に自分が面白いと思った本をあげなければならず、面白くなかったからといっていらない本をあげるのでは話にならん。しかし人に伝えたいと思うほど面白かった本を、私が手放せるわけないじゃあないの。そしてそれくらい本に対する執着心が強いからこそ、自分の所有する本をプレゼントする行為から素晴らしさを見出せたわけで、行為を真似してみたいけど決して実行できないというジレンマに陥るのだ。あぁ、さりげなく本を人にプレゼントしてみたい。でもできない。私にできることと言ったら、相手が望んでもいないのに自分の都合のいいときに電話をかけ、本を読んでいて面白かった部分のみを朗読してあげることくらいです。私に朗読されても構わないという人は、遠慮せず申し出てください。いくらでも朗読の奉仕をします。朗読する箇所は私の一存で決定しますが。