気になるネクタイ

朝の満員電車の中で座っている私の目の前に立つ、中年男性の張り出た腹部に沿うように首から下がっているネクタイは、カンガルーとコアラがシーソーに乗って遊んでいる柄であった。ただしその図案がひとつだけ大々的にネクタイに描かれているわけではなく、小さいものが多数描かれているので、よく見なければ気づかないくらいであろう。しかしそこは満員電車、他に目をやるものもなく、必然的に目前に垂れ下がったネクタイに目をやればその図柄に気づかざるを得ない。このネクタイを作ったメーカーは、どうしてこういう柄を発売しようと思ったのだろうか。
大体ネクタイとは不思議なもので、よく見ると妙な柄が描かれていることが往々にしてある。どうしてなのだろうか。ドラえもんが描かれているものを以前見かけたことがあるが、これならまだ分かるのだ。何故ならドラえもんはキャラクターとして老若男女に認知されているので、かかるネクタイを締めていたとしてもちょっとしたユーモアだと思われたり、あるいはドラえもんファンであると思われる程度であろうことが容易に想像できるからだ。今朝見た柄などは、本当に分からない。かのネクタイを締めていた男性は恐らく有袋類マニアなどでは決してなく、本人もその柄の内容をさほど認識していないと思われる。きっとなんとなく買ってしまったか、あるいは彼の妻がなんとなく、よく見ずに購入してしまったのだろう。だから彼らに対しては何の不思議さも感じないのだが、発売元の真意を図りかねるのだ。
…雰囲気だけ大仰に書いてみました。ネクタイ分からんなぁ。なんでああいう柄なんだろう。ネクタイウォッチャーになろうかな。案外面白いかも。