イーラのイクラ

マルタ猫

家の近所のスナック類を売ってる店のオヤジにどうも顔を覚えられたらしい。私が店の前を通るといつも店の前に仁王立ちしており、だいたい挨拶される。最初は「どうせ誰彼かまわず挨拶してんだろ」と思っていたが、なんとなく雰囲気が異なり、私の顔を認識した上で挨拶してるらしい。いつも前を通るときに店の中の菓子類を物欲しげに眺めていたせいだろうか。
今から書くことは全部昨日のことなのだが、昨日の日記を今日の分として書くのはいけないのだろうか。いけないといわれても書くのである。だってこれ私の日記だもん、なんか文句あるか。とまれ昨日の話。クリブ見に行って見られず、皆とカフェで話をしていたときのことである。先だって私がデニムを買おうかと思ってお店に行ったところ、40ポンド*1だったので諦めた、と話したらロシア人女子(19歳既婚)のイーラが「それはDIESELのデニム?」と聞いてきたので「違う。Miss Sixty」と答えると、「リビアなんかなんだって安いわよ。DIESELだって3ポンドくらいよ。文字が一文字違うだけでほんとに安いわよ。SIESELって書いてあるけど」。確かに安いがそれは最早DIESELのデニムとは言えないのでは…。
学校に戻る帰り道、しきりにイーラが魚の卵の話をしており、ロシア人はそれを好んで食べるけどマルタの人は好まない、と言って、何度も "Red caniar"、"Red caniar"と言うのである。私が "How do you say it in Russian?"と質問すると、非常に明瞭に、はっきりとわかりやすくイクラと答えたのであった。無論私はどのような答えが返ってくるか承知の上で質問したのだけれど、これ以上ないくらいに、殆ど日本語を話しているかのような発音で「イクラ」と返ってきて大変満足。
ちなみに我々が会話をしていた店でずっとカレー臭がしていたことはすでに書いたが、その後ずっと、マルタでの唯一の日本人の知り合いである女の子に「日本でカレー部というのをやっていて…」「カレーが恋しい」「カレー食べたい」「カレー」としつこく惨めったらしく語っていたら「家にカレーのルーがあと一片だけ残ってますけど…」と。というわけで近いうちにカレーにありつけそうです。

*1:約14000円