Tanglewreck

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先週の木曜に、マルタに来て初めて買った本。読み終わったのは昨日だからほぼ1週間かかった。ジャネット・ウィンターソンは先だって「さくらんぼの性は」を読んで非常に面白かったので、できれば「オレンジだけが果物じゃない」を読みたかったのだけど、どこの本屋を探してもなかったのである。というかそもそもジャネット・ウィンターソンの本を置いてない。5箇所くらい本屋を見てみたけど見つかったのはこの1冊だけだぞ。多分これがおいてあったのは今年出版されたばかりの本だったからだと思うのだけど、あんまり人気ないんですかねぇ。面白かったのに。
子供向けの本なんだと思うのだけれど、おかげさまで非常に読みやすかったです。2008年だか2009年だか忘れたが、それくらいのロンドンが一応舞台になっており、ある日突如として時間の進み方がおかしくなるのである。そんでもってTimekeeperと呼ばれる時計を手に入れると時の流れを自在に操れるということで、主人公と、まあいわゆる悪役とでそれを巡っての攻防が繰り広げられるわけだか、おかしかったのは時々実在の人物が出てくること。時間がテーマになっているのでアインシュタインとか、そういう物理学者の名前が出てくるのはまだわかるのだが、一瞬だけとはいえスティーブン・ホーキングが出てきたのに吃驚。あの人まだ存命だと思うんですけど。ちゃんとあの凄い車椅子についても描写されてたりして。あとは「シュレーディンガーの猫」が出てきた。猫の入ってる箱があって、主人公がその箱のふたを開けると猫は死んでいるのだが、また別の機会に蓋を開けると今度は生きてるのである。
もともとファンタジーは好きなのだけれど、ホーキングとかアインシュタインとかシュレーディンガーとか、量子コンピュータとか、そういう名前が出てきて、私のように物理を過去に志しながらも途中でドロップアウトした人間にとっては格別に楽しめるないようであった。それ以外にもいろいろ楽しめるところは多々。ただし残念なのは、ペーパーバックがどれも日本でamazonで買うよりも高いこと。お!今amazonで調べたらTanglewreckに関してはマルタで買うほうが安かった! David Lodgeはどれもamazonのほうが安かったのだけど。ちょっと得した気分だぞ。