パーチェヴィルに行ってみた

クラブやらなにやらがあって若者に人気だというパーチェヴィルに行ってみた。年末にヴァレッタで会った中国人に「パーチェヴィルには行かないの?なんで?夜遊んだりはしないの?」などと言われ内心「夜遊びというと午前3時位にみすぼらしい格好で大塚駅方面に向かいラーメン屋で腹ごしらえをしてから24時間営業の本屋をうろつくのが好きだ」と思わないでもなかったが無論そんなことを答えるはずもなく、そして「20代の若者が喜ぶような街を、自分自身が20代のときに東京でですら行かなかったのにマルタでそんなところに行った所で楽しいわけがない」とも思ったのだが答えなかったことがあるのだが、たまたま同じ家にいるドイツ人男子が「パーチェヴィルに行くので行かないか?」と誘ってきたのでそれに乗ってみた。あ〜、一文が長すぎる。
このドイツ人男子、この日曜日にマルタに着いたばかりで昨日が学校に初登校。年齢を聞くと33と答えたのだけれど、前にいたサビーナが本当は26なのに36と言い間違っていたことがあるので信用ならない。かなりフレンドリーな人柄で、もう昨日はすでに中国人男子と友達になり、そしてこの中国人男子とパーチェヴィルに行くから一緒に行かないか、という趣旨のお誘いであった。中国人男子との待ち合わせの場所に向かう際に、なにやら気がついたら道で誰かと話しているから、てっきりこちらは友達とでもあったのかと思ったら全然違って、たまたまドイツ人が道にいるのを見つけたから話しかけて友達になったとか。そんで彼のことを私に紹介したりして。トーマスだって。そしてパーチェヴィルについてみるとさらにスイス人一人、韓国人3人追加。そうそう、同居の例の彼女も同行していたので総勢8人。吃驚だよ。
夜9時くらいだったのだけれど「飲み始めるにはまだ早い」と言って映画(エラゴンを見ました)を見て、その後飲むかと思ったら韓国人男子たちは「明日学校だからそろそろ帰ろう」と。この辺の感覚はやはりヨーロッパとアジアとでは違うよな。ちなみに韓国人男子たちのうちの一人が出し抜けに、ようやく「ナイス・トゥ・ミート・ユー」が終わった程度のタイミングで「ハウ・オールド・アー・ユー?」とか言ってきて吃驚。あわててほかの韓国人男子たちがフォローして「ごめん、彼は非常に若いんだ。だから許してあげて」と。年齢聞いたら15歳だってさ。「で、結局いくつなの?」ときかれたけれど「私は既に君の人生2回分生きています」などと答えられるわきゃないだろ。聞けばかれ、母親と弟と3人でマルタに来て、あと4年くらい滞在する予定らしい。パパは韓国でお金を稼いでいるそうです。話には聞いたことがあったけれど本当に普通にそういう家族がいるんだねぇ、韓国には。ちなみにこの時あった3人は非常に感じの良い男子たちで、映画を見ているときもアメやらなにやらくれたりするので「カムサハムニダ」と言ってみたら非常に喜んでくれ、向こうも「どういたしまして」と日本語で答えてくれたよ。なんというか似たような顔のもの同士、欧州にいると韓国人とは親しくなるチャンスが結構あるので、挨拶言葉程度でも韓国語を知っていると便利だと思いました。
今朝になってから、同居のドイツ人男子シュテファンに「昨日会った彼らはノースコリア?サウスコリア?」と聞かれたので「サウスコリア、ソウル出身」と知っていることを話したのだけれど、ついで「なんでコリアは北と南とで仲が悪いの?なんで分断されているの?」と。朝から微妙な話題になってしまった。隣に中国人女子もいるというのに。簡単に「戦争で日本が韓国を支配しており、日本が負けた後アメリカとソ連がやってきて分断され、だから日本人は韓国に対して申し訳ないと思っている」と述べると「ドイツと同じなのか」と言っていた。私は例の中国人の彼女の反応が気になったのだけれど「申し訳なく思っている」と述べたあたりで彼女の顔をチラリと見たら「イッツ・オーケー、ユー・スピーク・イングリッシュ、ベリー・グッド」と言われた。多分、問題なさそうです。
ちなみにシュテファンは休暇を利用して2週間の予定でマルタに滞在しているのだけれど、彼の職業は警察官。国境あたりでパスポートチェックしているらしく、それでかね?英語学習の動機は。そしてそのうちユーゴに行きたいそうです。ユーゴって言っていたけれど、多分セルビアのことでしょう。多少危険だがお金が稼げるから行くのだ、と。クリスマス前までいたサビーナに「グッバイ・レーニン」を見たと非常に喜んで「日本人があれを見てるなんてクールだ!」と大喜びしていたのでシュテファンにもその話をしてみたら「あぁ、あれね」と割とさめた反応。サビーナは旧西ドイツ出身でシュテファンは旧東ドイツ出身なのであった。そしてベルリンの壁が崩壊したときにサビーナは10歳そこそこだけれど、シュテファンは17歳くらい。しっかり東ドイツ時代の記憶があるはずだよね。学校でロシア語しか習ってないと言っていたし。そうすると「グッバイ・レーニン」みたいな映画は別に面白くもなんともないのかも。サビーナは「いまだに旧東側の人たちはあまり所得が高くなく、そのため所得の高いものは重税を課されて大変なのだ」と言っていた。
関係ないのだけれど、今となりに中国人女子がいます。なにやらネットで英語の記事を読んでいるのだけれど、時々単語の読みを聞いてきて「visiting」を指して「アスキング」、「excuses」を指して「アイスクリーム」。英語は3年中国で勉強したと言っていたが、3ヶ月の間違いかもしれない。今も「ジャパニーズ・ルイヴィトン・トゥ・バイ・ヴェリー・ナイス」と言われてなんのことだか全然分からない。一緒の部屋にさえいなければよい子なので現在ではさほど問題がないのだけれど、どうも一人で行動するということができないらしく昨日も「一緒にイタリアに行こう」と。そして学校でも休み時間になると私のところにやってきてずっとひっついている状態。パーチェヴィルに行った際には連れションに誘われた。日本にもこういう子いるよなぁ。困った。今もなんで隣にいるか、というと別にネットを使っているわけではなくただ誰かと一緒にいたいからなのだろうと思う。誰か中国人の女の子がこの学校にほかに一人でも入ってきたら多分そっちに行ってくれるのだと思うのだが。はぁ〜。