ポ・ブイユ

なんだか日本に戻ってからの私って、ちょっとおしゃれに敏感になったんじゃなぁい? 青山とか六本木とか出向いてるわよ。今日なんか代官山に行っちゃったわよ。これまでは新宿とか池袋とか神田とか、そんなところにしか行ってなかったのに。
代官山に行った理由はレストランひらまつの系列のシンポジオンに行くためである。シンポジオンはSymposionと書くのだけれど、これ、気になりませんか? 「え〜、やっぱ床に寝転がって酒飲みながら哲学談義とかしちゃうわけ?」って思いませんか? 思わないか。もし万が一私が結婚などすることがあれば、ここで寝転がりながら酒宴を設けたいと思っていたのだが、この店、今年6月だったかな。ポール・ボキューズになっちゃうんですってよ。ポール・ボキューズと言えば国立新美術館内にも何かオープンしてたらしいが。同じ場所に同じ経営母体のレストランがあったとしても、その名が「シンポジオン」でなくなってしまったら、私にとっては何の意味も成さない。で、シンポジオンのうちに一回行っておこうと重い腰を上げて代官山まで出向いたわけだが、今日って大安ですか? 結婚式やってて通常営業はやってなかった。残念。代官山以外でも引き出物風の袋を持った人々を何回も目にしたので、きっと大安だったのでしょう。違うかもしれないけれど。どうでもいいや。
目的が果たせず、そしてそもそも代官山なんて飲食関係以外の目的で来ることが稀なので本日は最早この地に留まる理由はなく、なんとなく恵比寿方面へと向かったのだが、途中で思い出したのがポ・ブイユのこと。大分前の「料理王国」の表1にこの店が使われていて「雰囲気いいなぁ」と思っていたら随所で高い評価をされていたのを続けざまに見て、そのうち行かないといけないと思っていたのだ。夜はどうかしらないけれどランチタイムはテーブルクロスを敷かず、よりカジュアル。ランチは1500円。安いねぇ。料理は3種類か4種類の中から選べて私は羊を選択。この価格設定で羊を選ぶと失敗(肉が臭くて)することが結構あるのだが、この値段でよくやるなぁ、と関心してしまうような味わい。料理が来る前にグラスで白を飲んでいたのだけれど、このお肉じゃあ赤が飲みたくなっちゃうよ、と思いつつグラスを空けた瞬間にお店の方が来て「何か他に飲まれますか?」だってさ! 抗えますか? この申し出に。私は抗えない(酔ってたからか?)。絶妙のタイミング。これ以外にも万事が非常に適切なタイミングだった。出すぎずしつこくなく気持ちのよい接客。朝食をとっていない、すきっ腹の状態で飲み始めたので大分赤ら顔で、こんな恵比寿のレストランにいるよりホッピー・マラソンでもしてた方がずっと似合いそうな私であったが、なんだがずっとお店のことを褒めまくっていた気がする。食後にデザートも進められたのだけれど、酔いが進んで断念。今度は夜に来たいなぁ。そうそう、書き忘れてたことが。ここ、結構ボリュームありました。お肉って量が多いと途中で飽きてきたりする(つまり同じ味がずっと続くせいで)んだけれど、最後まで美味しく食べられたからそこも凄いと思う。
こういう「ちょうどいい」店って、昔より増えてきたなぁ。気軽に食べられるんだけど、居心地が良くてサービスがしっかりしてる。いろんな点のバランスが取れている。こういうお店が近所にあったら通っちゃうよ。興味ある方いらっしゃいましたら私と夜、一緒に行きましょう。