レトロ喫茶部部活と2丁目

ちょっと気ィ抜くとすぐこれだ。もう3日分も日記たまっちゃったじゃん。だめじゃん。無職で日々を生きていると時間の進み方が常人とは違ってくるのです。体内時間では1日くらいしか経ってないのだけれどなぁ。すなわち、土曜日の記憶はしっかりあるので日曜日とその翌日である今日、月曜日の記憶がない。私の中では今やっと土曜日が終わった計算か。あれ、今日って月曜日だっけか? 火曜日じゃなかったっけ。わからん。ま、いっか。別に無職だし。木曜日から社会復帰だけど。あ〜、どうしよう。木曜になっても気づかなくって仕事に行けなかったら。気づいたときには暦の上では今度の土曜日くらいになっちゃってたりして。ということは私の中で明日くらいに思っているタイミングが本当の木曜日なのか。あ〜、やだなぁ。もう仕事か。もう働かなくてはならぬのか。今日(月曜日)は「ロッパの悲食記」ってのを読んだけれど、これじゃあ悲食記じゃなくて悲職記だよ。とまれ土曜日の日記。
ちるさんが部長を務めるレトロ喫茶部は本日が初めての部活である。どうしよう! しっかり覚えてたつもりが大分記憶が薄れてるじゃん! 何書けばいいんだろう。やっぱり日記はその日のうちにつけるに限るな。臨場感あふれる日記を書きたかったのだが箇条書きくらいにしかならないぞ。

  • カヤバコーヒー
    前々から気になっていたこのお店。部長と二人して外観写真を取り捲り、いざや入店、と意気込んだらなんか様子がおかしい。営業しているような気配が見られないのである。店の入り口まで近づくと「当分の間お休みします」だって。初の部活動だというのに出鼻をくじかれてしまったぞ。
  • 乱歩
    部長のプランでは「カヤバコーヒーでまったり和み、→乱歩で毒気を注入」というプランだったのだが上記の理由でいきなり毒気を注入するはめに。神保町のぶらじるなどでも見られるがこの店にも客が好き勝手書き込めるノートがあり、かなり隅々までチェック。死ぬかと思うほどおかしいページもあったのだが、ここでは詳らかにしない。文字では伝わらんもんなぁ、あのおかしさは。ここではお店のおすすめアップルティーなどを飲み、毒気注入どころかかなり寛げてしまった。散々ノートを見分し雪隠にいったら吃驚。手洗い所の鏡に張り紙がしてあり、「コーヒー1杯で3時間、1万円札で支払って領収書を要求。こんな客いらねぇ」とかそういったことが書かれていたのだ。軽くドギマギしながらテーブルに戻ると、そこにもよく見たら「2時間で再オーダー」と書いてあったぞ。…流石乱歩。毒気ちゃんとあるね。
  • 高級喫茶古城
    店の看板に「英国王室用コーヒー」とか何とか書いてあり、「王室御用達」かと思いきや「王室用」。王室用って何だ。高級喫茶の名に恥じないその内装はシャンデリアやらステンドグラスやら大変なことになっているのだけれど、こういう内装の店に入ったところで別段特に動じない自分に気がついておどろいた。部長はアフタヌーンセットでブルーマウンテンコーヒーを注文し、私はメニューにあった「チョコ(るるぶ推奨)」を注文。飲み物を「私もブルーマウンテンコーヒー」と言って注文したら店の女主人風の方に何故か「えっ!?」と言われ、「じゃあコーヒー2つにチョコ生と、サンドイッチのアレね」と言われた。あの「えっ!?」は何だったのだろう。吃驚するじゃないか。チョコ(るるぶ推奨)はバターを塗ったトーストにチョコレートがかかった生クリームが添えられたもの。見るからに高カロリー。巨漢への道を邁進中。
  • 純喫茶丘
    ここが一番落ち着けたなぁ。どうという特徴がない代わりに落ち着けた。私はこの店好きだ。正統派のレトロ喫茶だね。レトロといっても乱歩のように特別若者から支持されるような要素はなく、古城のように気になる対応があったわけでなく。上野でゆっくり休みたい場合には皆さん、丘をご利用ください。店の入り口にある食品サンプルと一緒に飾られたキューピーも若干見ものです。

書く事がないといいつつ書き始めたら結構思い出してきたので驚いた。この後カレー部マネも合流し、新宿のベルク*1で軽く食べ、o-tsukaさんとも合流して私が二十代最後の日を過ごした思い出の2丁目のバーへ。この4人、孤独死から逃れる会のメンバーでもあるのだけれど、店に行く道中レトロ喫茶部部長がカレー部マネに対して「孤独死から逃れる会の家ではカレー部が毎日カレー作っちゃうんでしょ?」と、こちらには見に覚えのない話を既成事実のように話していた。
私がマルタに滞在していた間、o-tsukaさんは上海に行かれていたのだけれど、ちゃんとカレー部を意識して上海土産に「伽哩粉」を頂いた。mnさんといいo-tsukaさんといい、皆さん私がカレー部をやってることをちゃんと覚えていてくれ、思わず目頭が熱くなった、というのは嘘だけれど、本当にありがたいことです。私という人間がこの世に存在しているということを、こうやって覚えていてくれる人がいるんだな、って。しかしそれに対して私は何の土産もなく、申し訳なさでいてもたってもいられなくなり、昼間レトロ喫茶部部長に進呈した手作りマドレーヌを半分奪い返してo-tsukaさんに。…最低だ。今度改めてちゃんと、最初からo-tsukaさんに差し上げる用に作ります。そして部長、一度あげたものを取り返したりしてすみません。
そして久々の2丁目は、久々も何もこれがまだ2回目なのであるけれど、やはり非常に楽しいのであった。ママが本当に素敵だからねぇ。先だってo-tsukaさんのブログで言及されていたクィア・ジャパンの2001年発行、老後の特集の号を見せていただき、お店の方からもゲイ雑誌、ビアン雑誌などを見せていただいたのだが、もう酔っ払っちゃってたから見ているようでいて手だけパラパラとページを捲ってその実何も目が捕らえていないのであった。クィア・ジャパンはo-tsukaさんにお借りできたので後日(というか今日、月曜日)読んだのだけれど、孤独死から逃れる会の家を作るにあたって非常に役立つ情報が多々。実際にそういう家を作ろうとすると沢山のことを考えたり、そして何よりお金が必要なわけで「そんな金ない」などと一瞬思ってしまったが、それでもやっぱり面白そうだなぁ、共同住宅。各個人の部屋にはユニットバスと小さいキッチンくらいつけて、共同スペースには居間と大浴場と設備の整ったキッチンを用意するのだ。図書館も欲しいなぁ。司書はモモコさんがやってくれるしなぁ。
なんだか非常に楽しかったのであるけれど、酔っ払っちゃっていたので何があんなに楽しかったのかはよく分からない。記憶が飛んでいるわけじゃなくってしっかり覚えているんだけれど、やはり常とは違って過剰に楽しみを感じていた気がするぞ。ただそれは酒のためだけじゃなくって飲んでる面子にもよるのだろうなぁ。最後は自分だけ無職だからって「朝まで飲む、明日など関係ない」などと言って皆さんを困らせてごめんなさい。これに懲りずにまた一緒に酒を飲んでください。本当は私、醜態さらして自己嫌悪に陥るくらい飲みたかったのでまだ飲み足りなかったのだ。いや〜、三十路だからって守りに入っちゃダメでしょ。生き恥さらすくらいの方が年取ってから楽しいって、絶対。でも一昨年、さして親しくない男性二人としこたま飲んだ挙句、店のトイレから出て来れなくなり、一人で帰るのは困難ということで一緒に飲んでた二人の地元にいたにもかかわらずタクシーで家まで送ってもらった上に、途中で紫色のゲロ*2を吐いたことはあんまり思い出したくない記憶だし、その二人とはもう二度と会いたくないと思って実際その通りにしているけれど。いやいや、ホラ、このケースの場合はさして親しくない人と飲んじゃったのが問題で、ホラ、私たちのように老後をともに過ごすことを決意している間柄なら、多少の恥も老後の楽しみになるってもんですよ。ということでまたよろしく。

*1:ベルクのカレー、結構いけるよ、とレトロ喫茶部部長に言ったところ「えぇ! レトロ喫茶部のあとはそのままカレー部に!?」と言われた。だからどうって話でもないけど。

*2:赤ワインのせいで。