稀な体験

既にヤフオクに多数出品されていたのだが、高いね〜! 数千円してたぞ。しかし滅多に行かぬミスドにわざわざこのぬいぐるみのために精力的に出向き、100ptためるのに最低でも3300以上かかり、100ptでスクラッチにチャレンジしても当たるとも分からぬのだから、オークションで数千円出しても、結果としては効率が良いのかもしれない。しかし重ね重ね言うが、無職だからなぁ。そんなバカなことにお金を使ってよいものか…。
先ほど父親に「18きっぷは面白い。好きなだけローカル線に乗れる。3月に名古屋に行った折には、行きは東海道線、帰りは中央本線に乗れて非常に楽しかった」という話をすると「65きっぷというのはないのか」だって。18きっぷの18は別に年齢制限ではないし、もし仮にそうだとしたらあなたの娘は大昔に利用資格を失っているのだよ、と言いかけたのを飲み込んで「何歳になっても使えるんだよ」とだけ答えた。数年前に60代に突入したうちの父、いい加減引退したいらしいのだが思うように行かず明日から新疆ウイグルに9日間出張、ウルムチのホテルに宿泊だってさ。ウルムチか〜。一生のうちにいく機会はあるのだろうか。ウルムチチュニジアだったら旅行先としてどちらが珍しいかね。私はウルムチだと思う。アフリカに行くとしたらエジプト、モロッコ辺りに次いでチュニジアはメジャーな観光地だと思うのだが、中国に旅行して敢えてウルムチに行く人は稀だろう。
父親がよく仕事で海外に行くという話を人にすると、大概「お父さん何の仕事してるの?」と言われるのだが、ただのサラリーマンだ。勤務先の会社は商社とかそういうんでもなく、多分メーカー。あんまりよく知らんが。若い頃はエンジニアだったらしいのだが、人間分かんないもんだね。フツーに就職して真っ当に働いているだけでもウルムチに行くなどという事態になるなんて。私自身は今年明けて早々にチュニジアのホテルにて昼間からベッドでぼーっとしていたおりに、大学生の頃は自分がまさかこんな、チュニジアのホテルでぼーっと過ごすような人間になるとは夢にも思わなかったな、などと考えたりもしたが、そうは言っても私は無職だしね。無職の人間がチュニジアのホテルで何もしないでいるよりはサラリーマンがウルムチに行く方が稀だよ、きっと。
そして更に稀というならば、私の父親は文革真っ最中、つまり日本とも国交回復していない頃の中国に数ヶ月住んでいたことがあるらしい。これも、若かりし頃に見聞を広めるために中国を旅したなどということではなく、大学卒業したてで就職して、そして仕事の一環で行ったらしい。私なんかわざわざ頻繁に無職になって、あんまり定職についている人ができないような経験をしたりしているけれど、父の話を聞いていると「仕事持っててもいろいろやれるんじゃん」と思わざるを得ない。けどやっぱり稀だよなぁ。なんなんだ? あの人。へんなの。
ウルムチにはウルムチ出身の人と一緒に行くらしいのだが、その同行のウルムチの人に「ちゃんと都会ですよ。日本料理の店もあるし、お寿司屋さんだってあるし」と言われたらしい。寿司は食べたくないよなぁ、あんな内陸で。今日の夕方の日テレのニュースで北朝鮮の寿司屋の映像を流していたが、取材者がマグロを注文すると北朝鮮の板前がカチンコチンに固まったマグロのさくを適度な大きさに切り、右手でシャリを握りつつ左手で切ったマグロを手の体温で一生懸命解凍していた。吃驚した。
収入の手だてはなく、今後も就労意欲が皆無ではあるが、日本から出たくてたまらない。どうしたらいいかなぁ。1年、いや1ヶ月好きな国に滞在させてやるから北朝鮮の人肌マグロを喰え、と言われたら私は喰う。1ヶ月と言わず、2週間だっていい。1週間だったら、ヤだな。しかしあまり焦って働き始めてもアレなので、ここはゆっくり無職ライフを楽しむべきか。はぁ。