たびちゃん不妊手術

今日は大変だった。といっても大変だったのは私ではないのだが。私の家の6歳になるネコのたびが不妊手術を受けた。家から一歩も外に出ず、心を許しているのは私と私の両親のあわせて3人だけ*1。だからネコキャリーに入れて玄関を出ようとした時点で恐慌状態。弱虫のネコは病院に行くだけでストレスが大きいのでかわいそうだ。
手術と言っても即日退院できるらしく、午前中に病院に連れて行き、迎えにいくのは夕方でよいとのことだったので、高齢故に手術に耐えられないかも、万一のことが起きたらどうしよう、たびちゃんごめんなさいごめんなさい、などと思いながら空いた時間に日比谷公園で行われていたジャーマンフェストに行ってきた。しこたまビールを飲む心づもりでいたのに予想を超えてビールが高くて吃驚。安いので1杯800円。ほとんどが1000円とか1200円。ベルクじゃ1杯300円だっていうのによ〜、と文句をいいつつ1杯だけ飲んできた。去年のオクトーバーフェストはこんなに高くなかったと思ったが。しかし回を重ねることによって改善点も見られ、去年はウインナーの類いは大行列でなかなか購入することができなかったのだけれど、今回はそんなこともなくスムーズに購入できるようであった、というのは結局今年もウインナー類は買ってないからなのだけど。いいよ、動物性タンパク質は。私はビールだけあればそれでいいよ。あとは去年より座る場所が増えた気がした。で、ビールが高いとか動物性タンパク質はいらないだとか色々言っても、天気のよい公園で昼間からビールを飲むのは非常に心地よいのであった。この瞬間だけはたびちゃんのことを忘れていました。ごめんなさい。
ビールに興じていたようなことを書いてしまったが、実際には非常にたびちゃんのことが気がかりで割と早めに帰宅。とりあえずたびちゃんは無事であったが、やはり高齢であるがゆえに既に子宮の具合がややおかしく、かつ、たびちゃんはややデブなので脂肪がすごくて大手術になってしまったそうで、テーブルの下に隠れているたびちゃんの顔を覗き込むとグッタリしており、それでも私の顔を見ると目にやや涙を浮かべながら掠れ声で、にゃ〜ん、と鳴くのであった。腹部が痛むものだから座っていることもままならず横になるしかないのだが、横になろうとする瞬間にやや腹がよじれるのが痛いようで何をするにも苦痛といった様子。本人からしたら何が何だか分からぬままに怖い場所(=病院)に連れて行かれ、周りでは犬たちが鳴いており、麻酔で体の感覚がなくなって、感覚が戻ったら腹部に痛みが。今日一日のことを全て受け入れるにはショックが大きすぎたみたい。心細かったようで弱り切った体で無理に歩いて私の胸によじ上って顔を埋め、また音にならぬ声で鳴いていた。ああもう私まで泣けてくる。
この姿を見るとかわいそうでかわいそうで堪らないのだけれど、獣医さんによると既に子宮の様子がおかしかったから、やはり今回手術をしてよかったといっていた。もっと早くにやっておけばよかったよ。たびちゃんごめんなさい。といっても不妊手術に対する決定権は私にはなかったのだけど。前のネコのトラが死んだときに、トラは雄ネコだったのだが、お嫁さんを貰って子孫をつくっておけばよかった、そうしたら淋しくなかったのに、などと思ったもので、父親がたびちゃんに子どもを産ませたい、と言ったときに積極的に反対できなかったので、やはり私にも責任があるのだが。麻酔のリスクや子宮の病気のことを考えるともっとずっと早くに手術させておくべきだったのにね。笙野頼子が「愛別外猫雑記」で、無責任な飼い主のせいでかわいそうなネコが沢山産まれるということを何度となく書いていたけれど本当にその通りだよ。日頃かわいいかわいい、と一方的にかわいがってる場合じゃなくて、もっとネコにとって必要なことが何なのか考えるべきだった。はぁ、ネコ好き失格だな。前のネコのトラは私がまだ小学生の頃に貰ってきたネコで、こちらはたびちゃんと違って外に出すこともあるネコだったから早々と手術をしてあったのだけど。屋内のみで飼っているからって手術しなくていいわけじゃなかったよ。反省。たびちゃんごめんなさい。

*1:しかしその3人ですら、庭に回って窓越しにたびに手を振ると怯えてシャーッと威嚇してくるので意味が分からない。