IKEAマスターへの道

IKEAで購入した家具が届いた。と同時にIKEAで家具を購入したことを後悔。組み立てんのすんごい大変。ま、私は組み立てる係ではないのだが。そばで組み立てている人を見守りつつ応援する係。頑張って! ファイト! って、非常にかるい口調で。うざいね。何が大変かというと、組み立て家具というと割と作りが粗雑で、故に板も中空で軽いものが多いと思うが、IKEAの家具は完成したものを見るととても素人が組み立てたものとは思えない物になっており、つまり板の一枚一枚がいちいち重い。猛烈に重い。だから大きい家具なんかだと板を持ち上げたりするだけで重労働である。
あー、重要なこと忘れてた。重いとかそういう話じゃなくって、本質的に大変なのは組み立てマニュアル。もともとスウェーデンの企業であるIKEAは多くの国で事業を展開しており、常識的に考えると各国語版のマニュアルが必要なのであるが、これを一つで済ませてしまおうとした結果、マニュアルがイラストのみで展開されている。デイリーポータルでもIKEAの説明書が無口すぎるというのがあったが、あれを書いたライターの気持ちが今更ながらにわかった。何表してんだか分からねぇ、もうちょっと喋ってくれ、と思うことが多々あり。今回組み立てたテレビ台のマニュアルでは、途中で一カ所だけ言葉が書かれていたけれど、それもただ「CLICK!」だけで、何をどう「CLICK!」するのか理解するのにしばし時間を要した。
なーんてさも苦労したかのようなことを書いているが、わたしゃ殆ど何もしてないのであった。時々暇になると組み立て作業をしている人のところにいってくちばし挟んで「ここをこうするんじゃない?」とか言ってウザがられているだけで、あんまり余計なことを言うと作業の半ばにしてキレられ『自分で作れば!?』とか言われるんじゃないかとおそれたりして俄に「いや〜、すごいね! 組み立て上手! すっかりIKEAマスターだね」とか白々しくおだてたら結局もっと鬱陶しくなっただけであった。