レトロ喫茶部、久々の部活

部長とともに3軒ほど行ってきた。そういやレトロ喫茶部も久々だけどカレー部の活動もしてないなぁ。今日のレトロ喫茶1軒目は国分寺だから部長との待ち合わせの前に『すぷーん』にでも行ってカレーを食うか、と思っていたのに朝(というか昼)起きれなくって間に合わなかった。この体たらくでよいのだろうか…、カレー部部長として。こんなことではカレー部マネに部長の座を狙われてしまう。国分寺なんか滅多に行かないからこんな機会にこそ『すぷーん』に行きたかったのだが。
とにかくレトロ喫茶1軒目。名曲喫茶『でんえん』は、その佇まいを見たものなら意図せずとも「おぉー…」という声が漏れてしまうに違いない。渋谷の『ライオン』も初めて入店する場合は相当入りにくいだろうけれど、この店はひょっとしてもっと入りにくいのでは。部長からして「ちゃんと営業しているのかな…」とやや不安げな様子。入り口のドアのガラス越しに覗き込むと、店の奥の方にほのかに明かりがついているので営業している事を確認できたので、最初に店に足を踏み入れる名誉を部長に譲って早速入店。レトロ喫茶って不思議なもんで、入店前の写真撮影が大体一番興奮してて、入店の段でやや躊躇いがあるものだけれど、いったん入ってしまうと妙に落ち着いてしまうのだな。ここの店、名曲喫茶だけあって店内の本棚には音楽関連の本が多々並んでいたのだが、それに混ざって矢追純一『生きた宇宙人がつかまった―"MJ‐12"が隠しておきたかった真実のすべて』が置かれてあったのがやや印象深かった。ほかにも『のだめ』をはじめ漫画のたぐいもあり、この店が近所にあったら結構いいな、と思ってしまった。日によっては生演奏があったりもするらしいし。
場所を吉祥寺に移して次に行ったのはもうじき閉店の『ボア』。ここは昔、ICUの学生さんに「イカす店があるんだけど」と言ってつれてこられた事があるんだけれど、平日の夕方だったそのときは大分空いていたのが本日は閉店間際ということで大盛況。けっこう吃驚したのが、以前は外売りをしていたというケーキ用ショーケースに店の備品を並べて販売していた事か。ケーキ用包装紙なんか大が1枚80円。結構いい商売だよ。私はジュース用グラスが400円で売られていたのが気になって、ちょっと購入して帰りたい衝動にかられたのだが、入店後に食べた小倉トーストのボリュームにやられていろんな事に対するやる気がそがれた。いやね、美味しかったんだけどね、トーストに塗られたバターの塩気とあんこの甘みが合っていてね。しかし、最初にテーブルに出されたときに部長と「これ一皿で二人分だよね?」と言いながら飲み物がくるのを待っていたのだけれど、コーヒーが持ってこられたときにお店のおばさんに「小倉トースト、すぐもう一人分持ってきますからね」と言われて絶句。一人分を分け合うので十分なくらいのボリュームで、かつ三十路の我らにはこの量の甘さを受け入れるのは相当きつかったのだ。あー、甘いものって、年を取ると本当に食べられなくなるものなのですね。かつてはケーキなら10個くらいはかるく食べられていた私だけれど、最近は2個で精一杯だよ。ハーゲンダッツも1個をちゃんと食べると甘さで最後の方は持て余すもんな。
部長とも話したのだけれど、『ボア』は1947年開店で今年でちょうど60年なのだけれど、開店当時は相当おしゃれな店であったに違いないと思う。だって戦後まだ2年しか経ってないのにフランス菓子を出していたんだよ、すごいよ。はぁ、こうやって徐々に街からレトロ喫茶が消えてゆくのですね。実際、国分寺の『でんえん』も土曜日だというのにお客さんが非常に少なく、経営が成り立ってるのか心配になっちゃったもんな。レトロ喫茶の多くがそんな感じだよ。
最後に訪れたのはやはり吉祥寺の『ゆりあぺむぺる』という、私には大変覚えにくい名前のお店なのだが、こちらは実際には開店してから30年くらい経っているにもかかわらず、店内のメンテナンスが行き届いている為に、ちゃんと若い女子に受け入れられそうなこじゃれた店になっていた。紅茶は美味しくてよかったのだが、部長が「どちらかというとメンテナンスが行き届いていない、古いままの方がよい」と言っていたのに同意。やはりレトロ喫茶は古くて、お店の主人がおじいさんやらおばあさんやらで、店の中に置かれた本が黄ばんじゃって、ちょっとページをめくったら本の虫が出てくるくらいの方がいい。といっても実際に本の虫を見た事はないが。
なんとなくレトロ喫茶に対する情熱が高まってきたので、近場で行きやすい店がないか検索してみたら、すごい店が見つかった。
純喫茶蔵王
看板に『オールタイムトースト食べ放題 24時間営業』と書いてあるらしい。レトロ喫茶というよりは名古屋の『フルタイムモーニング喫茶リヨン』と同じ匂いがする。来週の3連休にでも自主練してくるか。と思ったら2004年に既に閉店してしまっているらしい。『純喫茶』のキーワードに出ていたぞ、『蔵王』のことが。無念。