Life of Pi

Life of Pi

Life of Pi

2002年のブッカー賞受賞作品。ほんとに良かった。時間があればもう一度読み返したいくらい。
猛獣を乗せた船が沈没。乗船していた16歳の少年が命からがら乗り移ったライフボートには骨折したシマウマ、オランウータン、ハイエナとベンガルトラがおり、ハイエナがまずシマウマ、オランウータンを食べ、そのハイエナをベンガルトラが食べて最後に残ったのは少年とトラのみ。トラに食われずに生き延びる術を探しつつ物語は進むのだけれど、その間トラはまったくトラのママ、いつしか少年と心が通って、なんてこともなく最後まで獣のままで、しかし少年のおかれたシチュエーションのみによって、最初はどうにかトラを退治しようと思っていたのがなんとか生かそうという方向に変わってゆくのが大変面白かったのであるが、最後にあんな展開になるとは…。私の英語力では読み切れていない部分も多々あったと思われるのだけれど、それにしても面白かった。ブッカー賞受賞作を読むのはこれが初めてだったのだけど、こんなに面白いとなると他の受賞作も読んでみたくなるね。大変よい作品でした。日本語訳も出ているので興味のある方はぜひ。