殿方にモテたがる

職場で近くの席の若い女子が日頃から「どうやったら殿方にモテるんですかねぇ」と口にしているのだけれど、モテと無縁のオレにわかるわけないダロ。うちのやつと付き合いはじめたきっかけを聞かれて、やつと初めて口をきいたのが職場の飲み会*1で、それで飲み過ぎてベロンベロンに酔っぱらって家に帰れなくなり、他の人々と一緒にやつの家に泊めてもらったことがあり、後日『先日は大変ご迷惑をおかけしました』と謝ったのがきっかけと言えばきっかけである、と答えたら「じゃあ私も殿方の家に泊まればいいんだ!」と言うのである。それは絶対ろくなめにあわないからやめておきなさい、と制止。
それから先だって2丁目の女子イベントに行ったら得体のしれない人物にセクハラされた話をしたら「じゃあ私も2丁目行きます。殿方にモテないから女子にモテるように頑張ります」と言い、また、チュニジアで一人、街を歩いたら現地の男性が声をかけてきたり後ろからついてきたりして大変だったと言うと「やっぱり私、海外に行きます! 2丁目は海外もダメだった時にします!」と言っていた。こう書くと随分必死そうな人に思われるかもしれないが、実際はどこまで本気か全然分からず、何のために『モテたい』と言っているのか不明で大分面白い。半分ネタなんじゃないかと思うが、『モテ』をテーマに人と会話をしたことがこれまでの人生に一度もなかったので、三十路にして初の体験でとても新鮮である。女子は普通こんな会話をするのかー。
そんな彼女が最近気に入っているのが、池袋にあるメガネ&スーツカフェである。店の人が全員メガネ&スーツ着用の男子で、設定としてはなんか社長の秘書とかそんなんらしい。面白いのかねぇ、この店。私が行ったら居たたまれない気分になりそうだ。あとホストクラブとかも行ったことないけれど辛そう、会話が合わなさすぎて。兼ねてから『つらい状況なのに頑張っている自分がスキ!』ということで程々に辛い状況に自らを追い込むことを好んでいるのだけれど、大枚はたいてホストクラブに行き、話が合わないのを申し訳なく思いつつ必死にホストに話を合わせようと努力をする自分を想像すると、辛すぎてとてもじゃないけれど実行できそうもない。誰かが資金提供をしてくれたら、と思わないでもないが、それでは辛さが半減なのでダメだ。いつか挑戦してみたいけれど、お金がかかりすぎるのがネックである。貧乏人にはできない挑戦だなぁ。

*1:今思い返すとこの時の飲み会では私は『家事をしてくれるお嫁さんがほしい』などという話をしており、たまたま隣に座っていたうちのやつが『働くより家事をする方が好ましい』というようなことを言うので思わず腕を回して肩を抱き寄せ『もう結婚しよう!』とプロポーズしたのであった。当然、この時既に酩酊状態。後日、冷静になってから自らの行動を省みて、プロポーズするわ泊まりに行くわで実に最低、このまま適当にしたらまるで責任を取らない男のようで問題があるから、2〜3ヵ月相手をしたら『性格が合わないみたい』とかなんとか言って縁を切ろうと思っており、向こうは向こうで『なぜだか分からないが好意を持たれているので面倒くさくならない程度に相手をしよう』とか思っていたらしい。お互い大変な思い違いをしたものである。こんなきっかけで、よく結婚に至ったよな。