図書館の本

最近になって図書館というものが非常に便利であることに気がついた。ネットで蔵書検索ができるのはもちろんのこと、ネット上で予約もでき、図書館には読みたい本を受け取りにいくだけですむのである。便利だねぇ。なんで今まであんまり利用してなかったんだろう。歯医者といい図書館といい、私の知らぬ間に大幅に進歩していた。
妄想旅行が趣味の私は暇を見つけるとネットで海外になにかおもしろいものはないか探し、旅行コースを考えたりさらにはそれをExcelもどきで旅程表を作ってしまったりするのだけれど、図書館を利用すれば行く予定のない国のガイドブックを見る事ができるということに気がつき、早速数冊借りてきた。で、まあ妄想旅行はそれなりに捗った(?)し役に立ったのだけれど、借りてきたガイドブックのうちの1冊がめちゃくちゃ汚れているのが不愉快。これ、確実に旅先に持っていっただろ。水に濡らしたみたいでヨレヨレになってんの、全体が。こんなに汚すくらいなら買ってくれ。図書館も図書館だよ。こんなヨレヨレにされたのなら新しく買い直させればいいのに。
そういえば書き込みのある本も結構あるのにおどろいた。小倉千加子の心理学の本を借りてきてパラパラめくったら、鉛筆で随所にアンダーラインが引かれていた。どんなに熱心に勉強しても図書館に返却しちゃうんだから意味ないだろう、アンダーラインなんか引いても。読み返す機会なんかそうそうないだろうし。あと文庫本で、風呂の中で読んだんだか何だかしらんが水没させたらしく、やはりヨレヨレになっていたのがあった。わりと潔癖性のきらいがあるので、こうなってくると色々考えてしまって危険である。私が借りてきて今読んでいる本は、水没させたのは風呂ではなくて便器の中かもしれない。そしてひょっとしたら誰かがトイレにいってシリを拭いたあとに手を洗わずに読んだかもしれないのである。汚い。あとアレだ。本を読んでいる最中、本ののどの奥から何かのカスが出てきたりすると本当にイヤだ。ひょっとしたらこの本は、誰かが鼻クソをほじくりながら読んでいたかもしれないのだ。汚い。
図書館が便利だということを書こうとしていただけなのに、なんでこんな方向に進んでいってしまったのであろうか。図書館の本を読むのが少しイヤになってきてしまった。しかし、お金の問題って大きいなぁ。これで私が中高生だったら『図書館の本なんて汚い!』とか言って借りるのを止めそうな感じであるが、今はさ、ホラ。大人だからさ。子どもの時と違って生活が親がかりなわけじゃないじゃん? 少ない稼ぎの中から本代を捻出するのは、それはそれは大変なことなんだよ。そして一度読んだ後に何度も読み返す本というのは、そうそうあるわけじゃないしさ。だったら多少の汚染には目をつぶって図書館の本を読んだ方が経済的じゃん。それにさ、あんまり潔癖すぎるのもよくないよ。多少汚さに強いくらいの方が、きっとインドなんかに行ってもお腹をやられたりする可能性が低くなるかもしれないじゃん。清潔すぎる生活は人間を弱くするよ、きっと。よく分かんないけど。
ということで現在、森枝卓士の『食べてはいけない!』を読んでる最中。まあまあ面白い。