味覚クライシス

絶対具合悪くなっちゃう味

本日も朝からカップケーキ。今日行った店はなんでも大変有名らしい。ドラマのSex & the Cityの主人公のお気に入りの店らしいが、このドラマ観たことないのでこの店に行ったところで有り難みがない。しかしとにかく行ってきた。半ば義務感で。なぜ私はカップケーキにこんなに義務感を覚えるのだろうか。謎である。
見た目。昨日のカップケーキよりはましな気がする。しかしアイシングが土台のケーキ部分よりも大幅にはみ出ていて嫌な予感がする。で、食べてみたら案の定。歯が浮く甘さとはまさにこのこと。むかし価格破壊という言葉があったが、これは味覚破壊だ。いまだかつて経験したことのない甘さに胃が消化することを拒否。遅くきたメーデーか。体がびっくりしたのかハナまで垂れてきた。自分が今なにを味わったのか理解不能である。コ、コーヒー、コーヒープリーズ! このままでは、私はどうにかしてしまう、と鬼気せまった形相で歩きつつもなぜかコーヒーショップには入らず、たまたま通り掛かったインテグラル・ヨガのショップで無駄に本やらウェアやらを物色し、気が付くとユニオン・スクエアに着いていた。
本日ユニオン・スクエアではファーマーズ・マーケットが開かれていて、ニューヨーク近郊の農家の人が野菜やら花やら売りに来ているのだが、すぐに食べられるものと言ったらマフィンやらパイの類い。さっきあんな恐ろしいもんを食べたばかりで甘いもんなんか食べられるわきゃない。ということで見学だけして本日もヨガへ。
ヨガのあとは、本日フェア・トレード・デーということでブルックリンでフェア・トレード・コーヒーのイベントをやっているというので、そこに行ってみた。初めてマンハッタンから出たのだけれど、別に「だから?」っちゅう話である。特筆すべきはブルックリンに向かう地下鉄の車中で出会った叫ぶ男くらいか。なんかめちゃくちゃばかでかい声で「おれは別にホームレスじゃない! だけど金が無い! 家には5才の子どもがいる!! とにかく金が27ドル必要だからだれか金をくれ!」って、ちょっと、いや大分怒り口調で叫んでんの。金を無心するのにこんなに怒っている人には初めて出会った。全然関係ないのになぜか叱られた気分になってシュンとなってしまった。肝心のフェア・トレード・コーヒーは思いがけず無料だったのだけれど美味しくはなかった。
再びマンハッタンへ。休日だからかいろんなところでマーケットが開かれており、道端で屋台のタイ料理を食べつつ、またしてもユニオン・スクエアへ。さっきファーマーズ・マーケットで見掛けたチーズケーキが美味しそうだったので戻って来たのであった。今日は味覚の危機が2度あったのだけれど、このチーズケーキがその2度目だったね。もうアメリカで美味しいお菓子を食べようとするのは断念した方が良いかもしれない。ケーキの見た目と実際の味とのギャップに疲労困憊し、一旦帰宅することに。
夕方やや気力回復してきたので再び外出。紀伊國屋書店で日本の雑誌を立ち読みし、黄色い本屋(ニューヨークにもあるのね)で「鋼の錬金術師」を立ち読みし、吉野屋で牛丼を食べた。ニューヨークにいる意味のない行動。黄色い本屋はともかく、吉野屋なんて日本でも滅多に入らないのに。どうしても米が食べたかったんです、安価で。おかしい、日本を発つ前は「ニューヨークでオーガニック・ライフを送ってくる」とか言っていたはずなのに。むしろその真逆の行動。体にいいもの全然食べてないじゃん。

明日は黄色い本屋の隣にあった「ちよだ鮨」に行こうかと思っています。