なんだかよく分からん一日

id:o-tsukaさんへ。私の強運は昨日で終了しました。今日はワット・ケクのへんな像を見ている時に足を滑らせすってんころり。もう漫画でも今時そんな転び方はベタ過ぎてありえないぞ、というほどの、ある意味強烈に見事な転び方をしましたよ。滑った足がそのまま前方へスライドし、その分シリが垂直に降下。なめらかな移動で気付いた時には転んでいたわけですが、これがかすり傷ひとつ無かったのですな。打ち身もなく、どっこも痛くない。奇跡か。昨日に続いて私、すごいんじゃないの? こんな転び方、そうそ誰にでもできるもんじゃないぞ、といい気になってたら、右手に持ってたカメラのレンズ部分をぶつけていたらしく、電源入れるとニョキニョキっとでてくる、あのレンズ部分が不自然に曲がっていたのでした。あぁ、もうこれでこの旅では写真を撮ることはできない。一応携帯では撮れるけれど、撮れ具合がいまいちだし。思えばこのカメラとはいろんな国を旅したものであった。チェコ、グアム、サイパン、マルタ、ロンドン、チュニジア、インド、ニューヨーク、スイス、タイ、カンボジアラオス。。。なんとか修理できればよいのだが。
昨日の午後、暑過ぎて観光できなかった寺院と凱旋門みたいなのを午前中の暑くなる前に見学し、トゥクトゥクのオヤジが「エイティ・サウザンド・キープ」と言ったのを「エイティーン・サウザンド・キープ」と聞き間違い、なんだ、めちゃくちゃ安いじゃないか、と値段交渉もせずに乗ってしまって大損害。といっても実際、220円くらいだと思ってたのが1000円になったくらいで、トゥクトゥクのオヤジの拘束時間を考えたら、まあ仕方ないとも思うが。その後ラオス料理を食す。昨夜はお世話になった日本料理屋の方の店で食事をしてしまったため、まだ食べていなかったのである。ラオスの人々の主食はもち米で、東南アジアによくある、細長くてパラパラの米とは違うのである。もち米は、なかなかいいね。で、昨日お寺さんで会った若いお坊さんがラオスの食べ物の中で一番好きだと言っていた、ラープという料理を注文。ちょっと辛いけれどさっぱりしてて結構美味しい。そうやって料理を楽しんでたらさ、店ん中に一人、40代か50代くらいの日本人男性がいたんだけれど、私が食べ始めるまで全然声かけて来たりしなかったくせに、食事しはじめた途端に出
し抜けに「日本の方ですよね?ご一緒していいですか?」とか言って来たんだよ。昨日、ビエンチャンまで連れて来てくれた人は、私が話しかけたり質問したりしなければ余計なことは喋らない、よい人だったけれど、この人のこの間の悪さってどうよ。なんかちょっと不自然な感じもするしさ、一緒に食事だなんて。なんで同じ日本人だからって一緒に食事しなくちゃいけないワケ? なに、ひょっとして一人旅に慣れてないとか? しかし聞いたら東南アジアにはもう40回くらい来てるそうなのである。会社員らしいのだが、一時期カンボジアにはまって、シェムリアップの市場の一角を買って、カンボジア人に任せて店をやっていたとか、聞いてもいない、何の自慢だかもよく分からん話をべらべら話すのである。もう断然怪訝に思っちゃうね。誰かと一緒に食事をする場合、相手が食べ終わるのを待って席を立つのが普通だが、そんなのいやだ。あんまり関わると危険な予感である。時間がもったいないし、早くホテルに戻ってだらだらしたい。ということで「もう帰らないといけないので」と不自然に席を立った。
12時くらいにチェックアウトし、バスターミナルに向い、帰りはビエンチャンからタイ側の国境の街・ノーンカーイに直行するバスに。でノーンカーイについたらすごいの。トゥクトゥクのオヤジたちが。それもラオスのオヤジと違って、慎ましさと言うものを知らないというか、かなり強引だし嘘ばっかり言うのである。というのも、トゥクトゥクには目的地に向う都合、乗らなければならなかったのだけれど、手持ちのバーツが残り僅かだったので、まず両替に行かないといけなかったのだけれど、そしたら「銀行は町外れにしかないから銀行経由で目的地に行こう200バーツ」みたいなことを言ってきてさ、銀行が街の中心に無いわけないダロ。しかしこれらタイのオヤジも値段交渉さえ済んでしまえば案外いい人なのだが。
で、向った先はワット・ケク。昨日行ったワット・シェンクァンをさらに大規模に、さらにばかばかしくしたところである。そこで、冒頭に述べたカメラの悲劇があったわけである。転んだのに痛くなかったり、そもそも転んだこと自体が久しぶりだったりして吃驚し、その上よくわからんうちにカメラが壊れてて一瞬記憶が飛んだ。状況の整理がうまくできなくて。肝心のワット・ケクは大分面白かったのであるけれど、大体面白い部分は既に宮田珠己の本で見てしまっていたので、やはりさほど新鮮ではなかった。
今日何が一番辛かったかというと、電車の時間までバックパックを背負ったまま観光しなくてはならなかったことである。暑いし重いしカメラ壊れたし、どこか店で休んで冷たいものでも飲みたいと思っても、不用意に冷たいものを飲むと再びPPの恐怖が蘇るし、八方塞がりとはこのこと。あ、そーだ、缶ジュースなら大丈夫じゃん、と思って店に入り、スプライトを注文したらあろうことか、グラスに氷を入れて出てきたのである。うおー、氷! 無論溶ける前に一気飲みである。全然休まらん。。。そうだ、この空いた時間はマッサージでもしてもらおう!
 我ながらなんと素晴らしいアイデア、と自画自賛しつつ近くの店に入ったら「今日マッサージお休み」。なんだこの状況、昨日のツキの反動か? もう街中にいてもどうにもならんので、大分時間が早いが駅に移動することに。
そして現在、無事夜行電車に乗ることができ、そして行きと同様、2人部屋を専有できているのだけれど、行きと違うのは出発時間がまだ夕方だったため、食堂車がついていて料理を注文したら部屋まで持ってきてくれるのである。で、普通に一番安いのを注文したら「辛いからやめておけ」と言われ、じゃあ辛くないのは、と聞いたらすかさず一番高いのをすすめられた。食事自体は美味しく食べられたのだが、皿を下げると同時に代金の請求をされた折、170バーツきっかり用意できなかったので200払ったら、お釣りが用意できないからあとで持って来る、と。なんとなく今日のこの流れでいくとお釣りの30バーツは戻って来ない予感である。そもそも注文したときは100バーツだったのに請求は170で、なんでか聞いたら「ライスの値段」と。よく考えるとライスが70って、いくら何でも高過ぎるのでは。他の普通の料理が70だったのに。あー、ちゃんとメニュー確認させてもらうべきであった。なんだか一日の終わりにこんなことがあっては、とても不愉快だぞ。もうあのお釣りの30は諦めですね。イヤンなっちゃう。
と思ってたらお釣りがきた! それもなぜか30じゃなくて60。やはりライスが70ってのは間違いだったのだろう。140でよければきっかり用意できたのだが…。まいっか。