黒ねこミケシュのぼうけん

ヨゼフ・ラダ『黒ねこミケシュのぼうけん』を読んだ。面白かった。内容もさることながら、翻訳が古いせいか、時々ギョッとするような訳があって楽しい。例えばこねこのナキーチェックが飼い主の男の子に、前足を出して、と指示され、ナキーチェックが「まえあしってな〜に?」と問うたときの飼い主の男の子の返答。
「このぬけさく!」
ぬけさく。相当久しぶりに目にしたこの言葉。こねこにむかって『ぬけさく』。私も誰かに言ってみたい。このぬけさく!
話の筋では、ミケシュが家出して、金持ちになって帰還したときのエピソードが面白かった。なんの職業で金持ちになったかというと、なんと猛獣使い。ネコが猛獣使い。すごいね。大量のお土産を持って帰宅する時に荷物は人間の赤帽に持たせていたのだが、その赤帽に『キミ、そこに荷物を置いてくれたまえ』的発言をしていて仰天。随分エラくなったな、ミケシュ。
大人が読んでも面白い童話というのはスバラシイ。