チョコレート貧乏

明日はバレンタインだそうだが何も考えてなかったのでうちのやつにやるチョコなど用意している訳がない。それどころか自分用のチョコ買えてないじゃん! そんな話をうちのやつにしたら「明日休日出勤だから、帰りにチョコ買ってきてあげるよ」と言われた。おー、逆チョコ。どうせ逆チョコ貰うなら、もっとかわいいこから貰いたい。そう正直に述べると「もう絶対買ってきてやんねえ!」と怒られた。正直者は損をする世の中。
今日はたまたま銀座でレイトショーを観る予定があり、そういや銀座の三越にはベル・アメールがはいっていたなぁ、バレンタイン用チョコで、カカオの実の形のチョコの中に、更にチョコが入ってるやつ、あれは興味深い、と思い立って映画前に三越に。目当てのチョコを首尾よく手にいれ、映画が始まるまでぶらぶらしてたら、ある文字が目に入った。
いますれ違った人、カカオ・サンパカの袋持ってたよね…?
カカオ・サンパカというのはスペインのレストラン『エル・ブジ』のチョコで、初めて食べたときはえらく衝撃を受けた。だってチョコなのに胡椒とか入ってんだぜ。しかもそれが滅茶苦茶美味いの。あれから7〜8年は経ったかねぇ。日本には店がないから買えないんだよ。そのカカオ・サンパカの袋を、アナタ今持ってませんでしたか!?
すぐさま検索。そしたら三越の催事に出店していることが判明。ブースの前はなかなかの盛況ぶりで、つまり混んでて何が売られてんだかよく分からない。とりあえずホットチョコレートのコーナーは空いていたので早速購入。ホットチョコレートというと思い出しすのは去年、スイスの標高3100メートルのホテルで出し抜けに私に「ホットチョコどこ?」と尋ねてきたオヤジだが、そいつのことは今はどうでもいい。カカオ・サンパカのホットチョコ、1杯300円だぜ。安い。で、飲んでみた。
う、うんめぇ! なんだこれ!?
なんだかよく分からないがとても美味しかったのである。よくある高級チョコにはあまり感じられない、独特の味。これ、これだよ。これが私は好きなんだよ。
気付いた時には3種類購入済み。最初に買ったベル・アメールと合わせると5000円オーバー。これが職場のしがらみで気持ちの悪い上司どもにチョコ配布の必要があった結果の出費なら憐れみももよおすというものだが、9割方自分用チョコである。おかげで今の所持金、映画のチケット分しかない。財布に1500円しか入っていない30代。それが私だ。チョコレート貧乏。略してチョコ貧。ええもう、どうせワタシはバカですよ。なんか文句あっか。