MILK

見てきた。ハーヴィー・ミルク氏が政治に身を投じた動機やら、暗殺者の動機やらがもうちょっと詳しく描かれているとよかったと思うのだが、それなりに面白かったような気がするような。曖昧な感想だ。本で詳細を読んだら面白いのかなー、と思わせる内容ではあった。
ゲイ・ムーヴメントが盛り上がっている様を見て、物事に対して人々とともに熱くなるということを人生であまり経験したことがない*1私は単純に「凄いなぁ」と感心したのであるが、やはりここでも盛り上がりを見るにつけ冷静になってしまい、なぜこのムーヴメントがここまで盛り上がってしまうのか、そもそもそんなにおおごとなのだろうか、やっぱ元凶はホモフォビアなのでは、などと思ったりした。だってさ、ホモフォビアの人間がいなかったら、ゲイの人々だってそもそも自身の権利を声高に主張する必要はないわけでしょう。普通に同性と恋愛して、普通にデートして、普通に生活するだけでしょう。当たり前の話だが、誰にも迷惑かけてないじゃん。関係ないじゃん。意味わかんない、ホモフォビア。なんなの? 同性愛のなにが気に入らないのさ。
そこで思い出すのが去年派遣で働いていたとある職場のこと。そこの職場の人が仕事で同性愛者の差別撤廃を目指す団体の人と会うことになったのだけれど*2、会うという当事者が「言い寄られたりしたらどうしよう」などと数人で変な盛り上がりを見せていて、それは「世の全ての異性に言い寄られたらどうしよう」と心配するのと同じくらい杞憂だなぁ、と思った覚えがあるのだが、ホモフォビアの連中がこういった類いのことを過剰に気にかけてるんだとしたら自意識過剰というものだろう。異性にモテないのと同じくらい同性にもモテないと思うよ、私は。
映画を見終わってからそんなことを悶々と考えているのだが、やはりホモフォビアが分からん。人のことに干渉するなよ、何なんだよ一体。人がどんな生き方しようと、その人の勝手だろ。他人に過干渉する人間の気持ちが分からん。

*1:人が熱くなっている様を見るとなぜか妙に冷静になってしまうため。自分一人で勝手に熱くなることはある。

*2:結局はこの対面の機会は立ち消えた。