隣の奥さん

先月韓国に行ったときにお隣に土産を買ってきたのだが、それを渡したときの隣の奥さん(推定60代半ば)との会話が印象深かった。
奥さん(以下O)「あらまあ、どちらに行かれたの?」
私(以下I)「韓国です」
O「いいわねぇ。私も若いころは旅行が好きで、あちこち行きましたよ」
I「どんなところに行かれたんですか?」
O「ヨーロッパやら、カナダやら、アメリカやら。アッシジでは大地震があって坊さんは亡くなるし、ホテルから避難したりで大変でした」
I「えぇ! 大変でしたねぇ。無事でよかったですねぇ」
O「エジプトではハイジャックにあって…。」
I「ええぇ!? 乗られた飛行機が!?」
O「そう。軍隊が来たり大変だった。知ってる? ピラミッドの中ってオシッコ臭いの。それから観光客はみんなおなかを壊すのにトイレが少なくて大行列」
最悪の情報だぁ! ちなみに今年の9月、私はエジプトに行く予定です。ハイジャックに比べたら、モスクワの空港のベンチで1泊した私の経験などアリンコなみにちっちゃい話だ。ハイジャックにあった人、生まれて初めてあった。この奥さん、以前からバイタリティあるし親切だし、いい人だなぁとは思っていたが、こんなすごい経験の持ち主とは予想もしていなかった。お隣さんの海外渡航経験と私のそれとを比較すると、私が旅した国なんかお隣さんの部分集合に過ぎない。
でもって昨日、回覧板をうちにもって来てくれたときの一言。
「あなたお一人でインドに行かれたんでしょ? 今度スリランカかネパールに行こうと思ってるんだけど、どっちがいいかしら。」
60代の女性からこんな相談もちかけられることは稀であろう。昔はよく旅行を、と言っていたが、いまでもバリバリ現役じゃないすか! すごい人だ。私もこんな風になりたい。