少子化だからか

電車の中で見た、とある大学のオープンキャンパスの広告。大学名をぼかしているのはわざとではなく、単に忘れてしまっただけだ。広告にはイベント内容が記されていたのだが、目に入ったのはただ一つ「学食無料体験」。食い意地が張ってるってイヤね。どんなときも味わうことには感度が高い。
わざわざ無料で食べさせるって、よっぽど学食の味に自信があるのだろうか。だとしても、学食の味が大学選びの基準になりえるのだろうか。「旨い。この学食を使うためにも是非ともこの大学に入りたい」とか。学食無料体験がかえって裏目に出ることはないのだろうか。「なんだこの学食、不味いじゃん。こんなんじゃ勉強できねえ」とかさ。
少子化だから、少しでも他と差別化を図ろうとなりふり構ってられないのだろうか。私のような三十代半ばの人間が会場に赴いて、当然といった顔して学食無料体験しようとしても、つつがなく対応してくれるのだろうか。ほら、学ぶのに遅すぎるってことはないっていうし、今から大学入りたい三十代がいてもおかしくないじゃん。でもやっぱり、少し引かれるんだろうな。三十代は切ない。