ABECEDA

アベツェダとはチェコ語におけるアルファベットのことである。英語のアルファベット、伊語のアルファベート、仏語のアルファベ、全てこれらはギリシャ語のαβのことだ。なんでチェコ語ではアベツェダなのだろう。それって単にABCD、日本語における「いろは」と同じようなもんだろう。スラブ系言語なのでキリル文字を使ってるかというとそうじゃないのに何故かアベツェダ。なんでだ。
アクセント記号は3種類でおそるるに足らず。もう既にその読みのルールは大体把握できた。しかし困難はRにハーチェクがついた場合の発音である。ただのRならばイタリア語をやっていた頃に散々練習してなんとか出来るようになったが、このRハーチェクはいつになったら出来るようになるのだろう。チェコ人でもうまく発音できるようになるのは4〜5歳の頃だそうで、中には小学校に上がってもまだ満足に発音ができない子もいるそうだ。するとその子は母親と連れ立って発音カウンセリングに通って矯正されるのだそうだ。ネイティブでその体たらくでは私のような純日本人は一体どうなってしまうことか。中国語の発音も相当難しかったけれどこのRハーチェクに比べたら造作もない。
もう一つ難しいのはH。最初聞いたときはさしたる困難なしに修得できると踏んだのだが、何度も繰り返し聞くにつれてその見込みが甘かったことに気づかされた。なんと表現すればよいのだろう、このHを。無理にカタカナにするならば「ハ」という音になるのだが、この「ハ」、まるで魂抜かれたみたいな音なのだ。「ハ〜」とやるごとに身体から魂魄が抜けていく感じがして空恐ろしく、練習することすら気が引けてしまう。でも練習するけどさ。