てんぷら近藤

銀座のてんぷら屋さんでランチ。いや〜、旨い!!本当に旨い!私は天ぷらと言えば穴子が大好きなのだが、ここの穴子を一口齧ると“ジュッ”と言ったのだ。もう大好き!穴子の旬は6月頃だが1月の今日でも十分すぎるほど美味しい。この近藤さんは御茶ノ水山の上ホテルで修行された方で、池波正太郎も贔屓にしていたそうだ。だからどうって話でもないけれど。別に池波正太郎のファンでもないし。しかし彼とは食のセンスが合う気がする。学生の頃からよく私は「池波正太郎コース」を楽しんでいたものだ。神田須田町の「まつや」で蕎麦を食べ、それから「万惣フルーツパーラー」でホットケーキを食べるのだ。そしてその後は大抵秋葉原に抜けるのだが、その時点で池波正太郎コースは終了。秋葉原は、池波正太郎と違うよねぇ。
近藤の話に戻るが、今日食べた中で感動したのは白魚。おかしな表現と思われるかもしれないが、フワフワしていた。キスも美味しかったし蓮根もその素材そのものがもつ甘みが上品でよい。食感も最高。全部美味しい。全体的に非常に上品な天ぷらだったといえよう。私の家では私の物心がついた頃からずっと上野広小路の天庄で天ぷらを食べるのが常で、私の母などはここで天ぷらを食べたために家庭で天ぷらを作ることを拒否している。さして美味しく作れないからさ。しかし天庄と今日の近藤とでは比較することが出来ない。どちらも美味しいし、雰囲気の違う天ぷらだと思うので。
天庄ではいつも最後は天丼でしめる私であるが、今日は天茶にした。齢を重ねて胃が昔ほど強靭ではなくなり、最後に天丼だと少々重いのだ。天茶旨いなぁ。本当に旨いなぁ。今日食べたばっかりだけど明日も食べたい。美味しいものだけ食べて生きて行きたい。