黄金小路だけのつもりが

ビバ・モーツァルト

プラハ城の方に黄金小路というのがある。プラハ城の方も何も、殆どつながっていると言って差し支えないところだ。長屋風の建物でかつてはフランツ・カフカもその一角に居を構えていたと言う。しかし現在は全て土産物屋になっているのだが。今日はもうここだけでいいや、頑張ると疲れるし、老人だし。緩みきった精神状態で宿を出たのがやはり朝10時。もうこれ以上早くに外に出ることはできません。だって顔痛くなっちゃうんだもん。生きているっていう事は凄いことだとしみじみと実感。だって絶対朝なんか氷点下なのに顔の肉とか耳とか凍らないんだもん。生きてなかったらきっと凍ってるはずだ。細胞一つ一つの生命力に感嘆。
目的地に近づいてきたので入り口を確認するため、おもむろに「歩き方」を開くとなんと、黄金小路の入場券は他の施設(旧王宮、大聖堂など)の入場券とセットになっているという。そもそもたかが土産物屋に行くのに入場券が必要だというのが納得いかないのに、今日は見る気のなかった他の施設まで問答無用で入場せねばならぬのか!これではシナゴーグハシゴの二の舞ではないか。しかも安い方のセット券でも170だか190コルナだと「歩き方」には書いてある。釈然としないながらも王宮へと向かった。
人の波に流されるように進むと特にチケット買わずに大聖堂に入れてしまった。なんだなんだ、ガードがゆるいじゃんとちょっとだけいい気分になりながら見学。やはりこの規模の聖堂になると見甲斐があるな。ステンドグラスが素晴らしい。入って右手側のステンドグラスは暖色系、左手側は寒色系になっており、午前中のこの時間は右手側から太陽光が差し込むので赤っぽい光で満たされていたのが実に美しい。しかし調子に乗ってぐんぐん進んだらちゃんと検問があった。これ以上さきに行くならチケット買って来い、と。
で買いに行ったさ、チケットを。なんという事でしょう!チケット値上げされてんの。安い方のチケット、170だか190だかすると「歩き方」には書いてあったのにいきなり220。しかも写真撮るなら更に30よこせと。この急激な値上がりってどうなんでしょう。それとも「歩き方」の編集室がちゃんと価格改定を調査せずにガイドブックの年号だけ改めて出してんのか?だとしたらちゃんと仕事してください。「歩き方」に不信感を覚え明日からはロンリープラネットを携えて出かけることに決定。
戻った大聖堂の奥部は、素晴らしかったね。しかし私はこのような類のものの素晴らしさを表現するのは苦手だし、あんまり面白いとも思わないし、自分の感じたところのものは言語化せずにおきたいので表現しません。興味ある方は自分で見に行ってください。ちなみにここの聖堂もやはり古い教会の上に建てられているようです。建築の歴史などには疎いので経験則でしか書けないが、大規模な教会というのは古い教会の上に建てられていることが多く、フィレンツェのドゥオモなどもそうです。で床下に潜れるんだな、大抵は。この教会床下探検が私は大好き。ここのは大した規模ではなかったけれどルッカの教会(名前忘れた)なんかすごく面白かったです。