人形操作師願望

マリオネット劇場でドン・ジョヴァンニ観て来た。最高っす。予想してたのと全然違っていた。出掛けに宿の方から前方に座ると水が飛んでくるとの危険情報を頂いており、その時点でどんな芝居なんだ?と興味津々だったのだが、まさかこんな演出とは思いませんでした。いろいろ面白いところは多々あれど、全て書くと鬱陶しいでしょうから一つだけ書くと、モーツァルトが良かった。
もともとドン・ジョヴァンニモーツァルトのオペラで、要するにドン・ファンのお話なんだけど、オペラだから勿論前奏曲などがある。そういった時にモーツァルト登場。指揮振る真似したりするの。演奏開始前に手のひらに唾をぷっぷっぷと吹きかけて髪を撫で付けたり、終盤では飲んだくれて演者(と言ってもドン・ジョヴァンニのマリオネット)ににらまれたりしてた。客席に水を撒いたのもこのモーツァルトだ。
だめだ、もう一つどうしても書きたい面白いことがあった。終盤で人形を操作している人のうちの一人が舞台に乱入、腕時計を指差しながら「早く終わらせろ」とアピール。しまいには人形を壁にかけて舞台掃除までしてそのまま終了。いやぁ、本当に面白かったです。昔は私はモーツァルトが全然良いと思えなくて、そうしたら私の尊敬する人に「そのうち好きになるよ」と予言されていたのだけれどまんまと当たった。この数年、結構モーツァルトが好きになってきた。風邪引いて寝込んでるときなんか必ずレクイエム聴くしな。陰気な性格ですみません。だから普通にオペラとして聴いても良いのにこの人形劇と来たら、人間の芝居では絶対不可能なことをやっていた。時間があったらもう一度見に行きたいくらいだ。いいなぁ、私も人形操作師になりたい。
ところで上にも既に書いたが現在私は「歩き方」に不信を表明*1しているので、劇場に出かける前の時間、ロンリープラネットを暇つぶしにぱらぱらめくっていたら大変縁起の悪いことが書いてあった。要するに地下鉄ムーステク駅周辺は売春婦が出て大変治安がよろしくない、と。まあ売春婦なら問題ないか、私はこれでも一応女だし。と思ってたら、時々殺人もある、などと書いてある。更に読み進めると
チェコの安いビールとイージージェットの安い飛行機チケットに感謝、夏になるといろいろ危ない人々*2が週末にイギリスからやってきます」
イギリスから、ね。他の国からは来ないんでしょうか。それに「感謝」って、どうなんでしょうかその表現は。ロンリープラネットなんかおかしい。兎も角私は本日、暗くなってからの外出を控えており、これは非常に験の悪い情報でございました。外に出るのが怖くなっちゃったじゃんか。でも実際にはお芝居が終わった後はその面白さのために怖さなんて吹き飛んでたんだけど。なにせ私はイタリアで夜の12時過ぎから飲みに出かけてドラッグを売っているとうわさの店でトロピカルジュースを飲んだ*3ほどの剛の者だぞ。なにがどう凄いのか自分でもよく分かんないけど。

*1:もともと大して信頼してなかったけどね。店の情報で通りの名前間違ってるのなんてちょっちゅうだし。どの国のガイドにしても何かしら確実に落ち度があるからね。

*2:本当はもっと具体的にどんな人々か書いてあったが、…割愛します。

*3:アルコールは一滴も飲みませんでした。当時アルコール禁止令が出ていたもので。