クトナー・ホラでメメント・モリ

クトナー・ホラ行ってきた。プラハから列車で1時間少々。チェコと言えば大抵の日本人はプラハしか知らないだろうし、他の街を知っていたとしてもカルロヴィ・ヴァリとかブルノくらいなんじゃないかと思うが、こんなマイナーな場所に赴いた理由はただ一つ、人骨教会があるのだ。
人骨教会ってどんなもの?という方のために紹介しよう。内装が人骨なのだ。シャンデリアが人骨であり、壁の装飾が人骨である。もうこれだけ人骨に満ち満ちていると怖いと言うより感覚が麻痺する。この装飾を施した真意としては“MEMENTO MORI”なのだそうだが私としては全然メメント・モリできませんでした。ただただもう感心するだけ。よく作ったなぁと。ローマにある骸骨寺の方が規模は大きいが、ここのシャンデリアは素晴らしかった。
我ながら驚いたのはここから帰るときに自然とある歌を口ずさんでいたことだ。何を歌っていたかわかりますか?タイムボカンのエンディングテーマです。これ歌詞に「それいけそれいけガイコッツ」っていう部分があるんですよ。気づいたら一人で歌ってたね。一人で、っていっても常に一人なんだけど。なんでこんな歌を歌ってしまったかと言うとその原因は全て私の友人にある。彼女とは非常に付き合いが長く、高校から修士までずっと同じ学校に通っていた仲なのだが、その彼女と二十歳の頃にイタリアを旅行したことがある。そのときに上にも書いたローマの骸骨寺に行ったのだが、歌ってたんだよ、一人で。何歌ってるの?と問う私にさも当然と言わんばかりに「タイムボカン」と返した彼女。あれ以来骸骨関係の教会というと自然とこの歌が出てしまう身体になってしまったのだ。数日前に現地人すらいない場所に出て途方にくれたときに自然ととなりのトトロの「あるこうあるこうわたしは元気」というアレを歌っていた自分にもかなり驚愕したが、今日のほうが吃驚した。骸骨に条件反射だ。パブロフの犬状態。
ところでここの入り口でフランス人観光客と一緒になったのだが、私はもうフランス人とフランス語で喋ってみたくて堪らなくなった。「あなた方フランス人ですか?私少しだけフランス語分かります。チェコは寒いですねぇ」。しかしやめておいた。だって相手が喜んで喋り始めたら絶対コミュニケーション取れないもん。ヘンな東洋人という認識を与えてしまうだけだ。しかし喋ってみたかったなぁ。