ターボル行ってきました。

ロールケーキ・キングサイズ

電車に乗りたいがためにわざわざターボルに行ってきました。プラハから1時間40分程度のところにある街で、チェコの宗教革命の指導者だったヤン・フスのフス派の本拠地だったそうです。しかし私はそのフスについて予備知識殆どなし。ヌル。だから全然、特別に見たいものなんかなかったし、そもそも何があるのかすら分かっていなかったのだ。
とりあえずフス派の博物館に入館してみたが、最初の1室の展示物には一応英語の解説が付いていたものの、残り全ての部屋ではもう解説チェコ語オンリー。分かるわけがない。なんとなく、大変だったんだな、という事だけは伝わってきました。武具とか置いてあったから。昔はコインにその時の権力者の横顔を入れるのが普通だったのだが、それを巨大化させたものが展示してあって、その横顔を取り巻くように“GEORGIVS REX BOHEMIAE”とあった。意味はわかってもゲオルギウスが誰なのか全然わからないので全く有難味がない。多分偉い人だったんだな、と思ってそれなりに敬意を表してきました。
本当はこの街は地下道が縦横無尽に行き渡っており、それを通るツアーがあるので地下道好きな私としては絶対に外せないツアーだったのだが、冬季だからかなんだか知らないけど今日はダメだそうだ。残念。そうするとなるともうめぼしいもの、ガイドブックに載りそうなものはもう見終わってしまったことになる。…やることがない。しかしこの街は道が入り組んでいて迷路みたいだと言うから適当に歩いてみることにした。地図を持たずに歩き出したら迷子になるかしら、わくわく、などと軽い調子で歩き出したのだが道が全然軽くない。まず第一に雪が積もっている。そして雨が降っていたのだ。傘をさしながら雪道を革靴で歩くのは相当困難であるのに、更に問題があったのだ。
チェコの雪道で茶色い部分が見えたとしたらそれは泥ではなく間違いなく犬糞である。普通に歩くだけでも歩きにくいのにこの犬糞を避けながらの歩行は相当困難である。いやもうそれはそれは必死に歩きましたとも。途中で自分が何故こんなに必死なのか分からなくなり、恐らく東洋人が一人もいなかったであろうこの街で目的もなく懸命に歩いている東洋人の自分は現地の人から見たらどれだけ奇異な存在であろうか、そう思ったら可笑しくて可笑しくて堪らなくなって気がついたら声をたてて笑ってましたよ。
私が陽気な気分になれたのは勿論他にも理由があって、ターボルはクトナー・ホラと違ってあんまり排他的な雰囲気じゃなかったのだ。どの店入っても英語は通じないものの心が通じるような気配があり、割と皆親切。必死に雪道を歩く謎の東洋人である私に向かって気さくに「チャウ!」と挨拶をしてくれた工事現場のおっちゃんもおりました。だからかな、なんか好きだ、この街。街の佇まい、雰囲気も勿論素晴らしいんだけど、人がいい。次はもっと暖かい時期に来て2〜3日宿泊し、地下道探検をしようと決意しました。