船便のお世話になる

本当のことを言うと私は本なんて買ってる場合じゃないのだ。何でかって言うと、アエロフロートは恐ろしいことに荷物の重量オーバーを細かくチェックしてそこで金をふんだくる地獄の航空会社だからだ。しかもその事実を宿泊中の宿の奥さまに伺うまで全く知らなんだ。慌てふためいて今日の午前中は荷物の重量チェック、書籍の類は船便で送ることにして、洋服も多少は処分することにした。
この船便だが送るのが結構面倒であった。窓口のお兄さんが然程英語を解さないらしく、こちらは勿論チェコ語を解さない。宛名書きで何回か意思の疎通が図れなかったために書き直しを余儀なくされ、やっとのことで発送の手続きが済んだときには私の目にも郵便局のお兄さんの目にも、ともに困難を乗り越えたという達成感および充実感が満ち溢れていた。瞬間的に同士のような親近感を覚えたりして。
そんなこんなで今日の午前中はもう何がしたかったのか分からなくなってしまい、目的意識もなく歩き出したらばTV塔が見えてきたので上ることに。どれくらいの高さなのかは不明だが、私の眼下にはプラハの街が広がっている。おほほ、世界が私の足元にひれ伏しておるわ、などとちょっと喜んだ後再び歩き出したのだが、やはり船便による混乱が収まりがたかったようで変な事ばかり考えながら歩いていた。そういえばプラハでは野良猫見てないなぁ、ヌルだ、野良猫ヌルの人生観、なんちゃって、とかなり精神に疲労の痕がみえた。それからも、今日は久々に氷点下だった所為か疲労に加えて寒さで頭がやられ、気づいたら小声で「インクボ〜、スクボ〜」*1と妙な節をつけて発していた。かなりやばい。
それから更にトラムに乗り込み、適当なところで降りたら謎の像を発見した。かなりインパクトのある像だ。できれば記念撮影をしたかったのだが、頼みたくとも他に人影がなかったために断念。あの像は一体なんだったのでしょう。いいものが見られました。そしてこの後がビール飲んだくれである。

*1:インクボ、スクボともにイタリア語で夢魔のこと。前者が男、後者が女である。