チェコ語を通じてロシア語を解す

ゲートに戻り、ボーっとあたりを見渡していると看板が目に入った。英語で“GATE”と書いてあるのだが、その上にキリル文字で“BЫХОД”と書いてある。なんて書いてあるんかなぁ、一文字ずつアルファベットに直してみると“VYCHOD”、なんだ!チェコ語の“východ”と同じじゃん!つまり「入り口」ってことじゃん!かねてからロシア語もチェコ語も同じスラブ語なので、どれか一つを修得すれば他のスラブ語を修得するのは容易いと聞いていたが、本当のようである。いやいや、嬉しかったです。ロシア語分かっちゃった。
飛行機に乗り込んでからも同じロシア語で面白い発見があった。隣に座っていたのがロシア人女性で、彼女の見ていた雑誌を横から覗き見するとページの一番上に“ХИТ ЛИСТ”とあった。これもアルファベットに直すと“HIT LIST”。この感覚って、例えば日本の雑誌に「ヒットリスト」と書いてあるのと同じではなかろうか。ロシアでも英語を自国の文字で表したりするもんなんだね。
そんな成田行きの飛行機の中であったが、昨日購入した本を読んだかというと封を開けることすらしなかった。ずっと白ワイン飲んで酔っ払ってたので。チェコではまだ寝るような時間でもなかったから全然寝られないし。酔っ払った頭で私は何故か漠然とハットリくんの事を考えていた。ハットリくんて、あれは本来人間なんだよな。子どもの頃は何の躊躇いもなくあれを何かドラえもん的存在として受け入れていたが、よく考えるとただ特殊技能を修得したというだけの人間なのである。この違和感はどうだろう。ケン一のママもよくああいう謎の人間を下宿させてるものだ。ハットリくんって学校行ってたっけ?学校行けよ。義務教育期間中だろう。