ボンディに完敗

どうしてもボンディのカレーを食べたくなったので思い切って行ってきた。数年ぶりのボンディであるが相変わらず席に着くと問答無用で茹でたジャガイモが2個出される。カレーが来るまでの間にこれを食べて間を持たせたりするのだが、学生時代はその後のカレーのためにいつも手をつけていなかった。しかしだね。今日は違う。今日こそはいける気がする。そんな根拠のない自信からついジャガイモに手を伸ばしてしまった。1個目は調子よく食べられた。この調子なら完食できるぞ、よし2個目。そう思ったときにカレー到着。これを食べてたらカレーが冷めてしまうからとりあえず後回しにしよう。
今日頼んだのは野菜カレー。チーズカレーにしようかアサリカレーにしようか悩んだのだが、一人暮らしだと野菜を食べる機会が減るので健康を考えた上での決断だ。食べるものを選ぶときに判断基準に「健康」という要素が入る時、人は自身の体に衰えを感じるものである。兎に角野菜カレー。うん、やっぱり旨い。アスパラガスが入ってるぞ、ブロッコリーもだ。具材となっている野菜に春を感じる私であったが、見込みが甘かったことはこの後判明するのである。
食べても食べてもなくならない。次第にカレーを食べていることが、ひいては人生そのものが苦痛でしかなくなってきた。苦しい。苦しいよ。飲み込んだはずのカレーが重力に逆らい、元いた場所に戻りたいと言う。やってしまうのか?私は。ここでそんな醜態を晒すのか?そうなった場合フォローしてくれる人間はいない。私は一人で食べに来ていたのだ。
食事の間中様々な危険に晒されたが何とか食べきることが出来た。ジャガイモは完食できなかったが。こんなに苦しい思いをしてお昼に1350円。苦痛の値段が1350円。暫くこの店に来ることはないであろう。そんな想いが脳裏を横切ったときに店のお姉さんが「ハイ!」とあるものを手渡してきた。
コーヒーサービス券…。
本当に私は愚かな消費者の代表だ。こんなコーヒー無料券を一枚貰っただけで「また来よう」と即座に決断していた。モデル通りの反応なのではないだろうか。そして続けて私はこうも思った。次来るならばワンピース類、つまりウエスト部分に締め付けのない服で来よう、と。これで食物が重力に従いやすくなることであろう。ただしこれも難点が一つ。食事が終わるとアラ不思議!マタニティに大変身である。この点を改善するにはどうしたらよいかね。次にボンディに行くその日までに解決せねばならないと思う。